そもそも「問題」であると捉えるのも人間の側の都合でしかない場合も多くて、壁や家具での爪研ぎ、外に出たがって鳴く事など、これは猫という生きものの本能がなせる正常な行動であって、決して問題行動ではない事も解ってやって欲しいと思います。
だけど人間の生活空間で猫と人間のどちらも気持ち良く暮らす為には、ある程度お互いが我慢し合って譲り合う「ルール」のようなものも必要ですね。
それが上手く機能していない時、敢えて「問題行動」と呼び、それを解決出来るように考えてみたいというのが、このコーナーの目的です。
一番ご相談の件数が多いのは、ダントツでトイレ以外でのオシッコと夜鳴きです。
こうした問題� ��動には、必ずその原因があるものです。しかし一体どういう気持ちでそういう問題行動に出ているのかは、人間の言葉を喋ってくれない猫に確かめられないので、私にも真相は解りません。
それでも取り巻く環境や状況、飼い主の接し方、体調、他の行動パターンの観察などから、ある程度は推し量ってみたいと思います。
それはとりもなおず、愛する自分の猫が何かの理由でそういう行動を取らざるを得ない状態になっているとしたら、何とかその根本となっている問題を取り除いてやりたいと願うからです。
以下に挙げる全ての問題行動に関してひとつだけはっきり言える事は、飼い主にとって不都合な行動をとったからといって、決して叱ってはいけないという事です。
犬と違い、猫は躾けようとしても殆ど無� ��です。むしろ叱る事でストレスを増し、問題行動が酷くなるケースも多いようですし、あるいは構って貰えた事に嬉しい手応えを感じてか、ますます酷くなる傾向も見られます。猫を躾けようとしても無駄だと思った方が良いとさえ言えます。
ここでは、問題を完全解決は不可能でしょう。
ヒントになればまだ良い方で、人間が全てを受け入れて猫に対して優しい気持ちになれるよう、私の苦節の経験をお話しするしかありません。
でも必ずそこに、ヒントを見出せるあなたであって欲しいです。
対策グッズとして、フェロモンを抽出した「フェリウェイ」の拡散器やフラワーレメディなどで、ストレスを生んでいる心を癒す事も試してみました。
また、場合によっては仔猫を里子に迎えてやった途端� ��ピタリとマーキングが止まったメス猫もいましたので、頭の隅に置いておいて下さい。
以下に原因として説明した「ホルモンのバランス」の問題が、一時的に解消されたせいではないかと思います。
●お布団にオシッコするので困る・・・
我が家の最初の保護猫は、このサイトを立ち上げるきっかけとなった猫です。雨の中で出産しているところを発見し、仔猫共々連れ帰ったのが始まりでした。仔猫は全て里子に出し、母猫は手元に残す決心をして先住猫たちと一緒にした時から、今までトイレできちんと排泄出来ていたものが、オシッコだけは私たちのベッドでするようになりました。それは一日も欠かさず1年7ヶ月続きました。
そして人間のベッドでオシッコしなくなったのは、何と1年半後� �ある仔猫を里子に迎えた時からでした。言い換えれば、1年半の間ずっと毎日続いていた問題行動だった訳です。
但し、その仔猫が自分より大きくなっしまってからは、またしてもトイレ以外の場所でのオシッコが再開されました。その次に迎えた仔猫が小さいうちも一時的に治まり、またまた大きくなってしまうと再開・・・そしてその後は「ここが私のトイレ」と決めた枕でオシッコをし続けて今に至ります。
偉大なカイザーになる方法
オムツを穿かせてしまおうかとまで考えました。防護策も色々と考えました。しかし、先ずはなぜ子育て中には一度も失敗した事のないトイレが、急に使えなくなったのかを知りたい気持ちで一杯でした。きっと何か心に不満があるのだろうと思ったからです。
飼い主がきちんと観察していれば、原因と思しき事は幾つか考えられました。皆さんの家のオシッコ猫ちゃんも、以下のいずれかに当てはまるのではないでしょうか?
●環境の変化への不安やストレスで自分の匂いをマーキングする 自分の匂いがない新しい環境では、猫は不安で一杯です。 匂いの出る腺が口の端にあり、そこを家具や柱に擦り付けているのを見た事があると思います。オシッコで臭いを付けるのも一種のテリトリー主張になるのではないかと思います。 我が家のオシッコ猫は、とても母性の強い猫でした。素晴らしい子育てを見せてくれていましたが、私達は無情にも仔猫を全て母猫から取り上げ、里子に出してしまいました。最後の仔猫が里子に出た日から、先住猫の部屋に移しました。オシッコをトイレでしなくなったのは、その直後からです。 猫は子供の事なんか直ぐに忘れてしまう・・・と昔の人は言いました。しかしそれは嘘だったよ� �です。メス猫にとって一番悲しい事は、子供を失う事だと言う獣医師もいます。我が家でも、出産経験のある2匹のメスは、既にいなくなった我が子をいつまででも探しました。見ていて切なくなるほどに・・・。 オスはもっと気楽で、メスの発情に誘われて発情したのに、別の強いオス猫に負けてメスを取られてしまった事程度でしょうかね・・・殆どの悲しみと言えば。 ●気に入らない匂いのする場所に自分の匂いをマーキングする その逆のケースも考えられ、今まで一度もトイレ以外の所ではオシッコした事のない先住猫が、新たに猫を入れた途端に、しては困� ��場所でオシッコするようになった・・・というケースもよく耳にします。 かと思えば、人間の誰かの脱いだ衣類や、匂いの付いた寝具に好んでする子たちが多いのも事実です。これが本当に気に入らないのか、それとも本当は好きなのか、それもまたケースバイケースかとは思うのですが、兎に角匂いの付いている場所にする傾向は否めません。 ●ホルモンのバランスが崩れていてマーキングしてしまう ホルモンのアンバランスにより人間の女性の場合でも精神的に不安定になる事が多いのを見ても、なるほどと頷ける原因かと思 いました。 そしてホルモンのバランスが落ち着くには、意外と長い月日がかかるようです。本人(猫)も辛いはずです。長い目で見てあげて下さい。右の写真がその犯人の「天才ゴマちゃん」です。今は落ち着き、別の理由(多分)でごくたまにシッコ攻撃してくれています。 ●トイレが気に入らない 色々と試行錯誤してみて下さい。 トイレの数を増やしてやっただけで、多頭生活の場合にはこの問題がスンナリ解決したという事もありました。 ダニは何ですか 尚、トイレのところでも書きましたが、どうしても砂のトイレが使えず、新聞紙トイレに替えたところ、すんなりとトイレを覚えた子というのもたくさんいます。 毛布や布団でするのが好きな子には、一度新聞紙トイレを試してみる価値があると思います。左の写真は、新聞紙トイレ派のぶーちゃんとタムです。いずれも大人猫で保護して来た子です。 尚、新聞紙トイレの作り方に関しては、こちらをご参照下さい。 ●わざとする 長い時間お留守番させられた、求めたのに遊んでくれなかった、他の子を優先していて自分が後回しにされているような気がする、怒られた・・・そんなことが原因となり得ます。心当たりはありませんか? そんな時、猫を更正させようとしても殆ど無駄です。飼い主が猫の気持ちに応えられていないことを反省し、心から詫び改めるしかありません。ペットは心も感情もある生き物であって、飼い主に都合の良いオモチャではないのです。 私の何が悪くて、この猫はこんな事をしてしまうのだろう?そう考えてやらない限り、絶対に問題解決には至りません。問題は解決しないまでも、そう考えてやれない飼い主になり下がる事は避けたいものです。 右上の写真は、「� �ざとした派」の亡き大王ミュウです。私が仕事から戻るのを待って、顔を見ながら盛大にジャージャーしたものでした。 この子は大変聞き分けが良く、他の猫の面倒見が良く、我慢強く、しかも威厳のある子でしたのに、それでも一時はそういう問題行動もあった事を告白しておきます。 これを読んだ方、ミュウを知っている方は特に、どうか勇気を持って下さい。 あのミュウですらシッコ攻撃したのです。 ●トイレでもするけれど、毛布の吸水する感じが好き 寝ていた布団はそのまま敷きっ放しにしておかない。脱いだものをいつまでも放置しておかない。毛布の上でしそうになったら、トイレに入れて� �る。 これは予防ではなくてその後の対処方法ですが、ベッドであれば寝具は全て洗えるものにしてしまう。 我が家では、介護シーツを敷いてそれを洗うようにしていましたが、留守中にオシッコしたままになっていると他の猫がその臭いを嗅ぎつけ、砂掛けの真似をしてシーツをぐちゃぐちゃにしてしまいます。そしてめくれた場所にまたオシッコされる繰り返しでした。 羽毛布団は羽毛特有の匂いがするので、オシッコされる場合が多いです。我が家では羽毛布団を廃絶しました。その代わりに、オシッコされても惜しげなく洗えて、且つ乾き易いアクリルの毛布を2枚掛けにして冬場も過ごせています。 オシッコばかりされるので、布団を捨てた人は多いでしょう。でもたまの事であれば、対処方法はあります。� �まで続けてお読み下さい。 |
●シッコされた物の匂いの消し方
それでもオシッコされ続けたら、あとはその都度対処していくしかありませんね。頑張りましょう、あなたの家の猫だけではありません。慰めにもならないかも知れませんが、かなりたくさんの人たちがオシッコでは苦労しているのです。
しかし効果的に臭いを消す方法はあります。今もまだ時々オシッコ攻撃は続いていて、ありとあらゆる方法を試してきたと豪語出来ますので、整理しておきます。
斜を取り除くためにどのように
●熱湯をかける アンモニアは、熱で分解されてしまうそうです。実際にやってみると、洗剤で洗うよりも匂いが消える事に気づきます。 寝具は洗えるものにして(洗えるという表示がなくても洗ってしまいますが、中綿が寄らないようにだけ気をつければ別に問題はないようです)、先ずは熱湯をかけ、あとは水洗いしています。洗濯機で洗うだけでは、ちゃんと臭いを消すには不十分です。人間の嗅覚では臭わなくとも、猫にはちゃんと臭っていますからね。 ●スチームをかける 洗濯・掃除のコーナーでもご紹介していますが、うちではスチームクリーナーを活用しています。これは便利。 これほど大きなスチームクリーナーでなくとも、8千円前後でTVショッピングでも買えますね。スチームアイロンでも当座は間に合うと思いますが、ペットのいる家ではスチームクリーナーは必需品かも知れません。 ●消臭剤はどうなのか? ●布団や毛布の丸洗いも・・・ 洗ったは良いけど、水を含んだ敷き布団は重くてとても干す場所まで運べません。ならば布団の丸洗いこそプロに任せるのが最良です。かつて和式の敷き布団を使っていた頃、時々丸洗いに出していましたが、5千円程度の料金でした。 ペットにシッコされずとも、人間の汗やダニで布団は相当汚れています。何でも水洗いするのが好きな私としては、毎日シッコ攻撃する子がいる訳でないならば、捨てるよりは丸洗いをお勧めします。洗えばアレルゲンもかなり洗い流せますからね。(>>こちらのコーナーとも関連します) 布団丸洗いに関しては、こんなサイトもありますのでご参照下さい。当サイトの情報ページへのリンクのご連絡を戴いたので訪問させて戴いたら、お役立ち情報が色々あって大変参考� ��なりました。>>【全国布団丸洗いドットねっと】 |
●フラワーレメディを使ってみる?
トイレ以外のところでのオシッコしてしまう心の問題に限らず、先住猫との折り合いの問題や、人馴れの問題の解決や、更には正常に自らの本来持っているはずの免疫力を正しく働かせる為に、我が家でも用いているのがフラワーレメディです。
私は、最初は専門家のカウンセリングを受けて処方して戴きましたが、今では自分で処方(薬ではありませんが)しています。飼い主が一番、我が子の性質や心身の状態を知っているはずだと思いますし、そうあるべきだと努力しながら日々接していくべきだと思うからです。
●シッコ問題のケーススタディ
あまりにも多い、シッコ問題。でも皆さん、可愛い猫の問題行動とちゃんと向き合 っています。
解決した問題もあれば、未解決のままの問題もありますが、色んなケースを見て参考になさってみて下さい。
そしてゆめゆめ猫を叱ったり悲観したりしない事です。生き物と暮らすというのがどういう事なのか、楽しんで実感して下さいね。
尿路結石などが原因でオシッコが出ないよりは、たとえどこでしようと出た方がずっと良い・・・という事も事実です。
生き物と暮らすからには、綺麗事では済みません。食べる事と排泄は、人間だろうが動物だろうが、日々欠かせないテーマです。大らかな気持ちで、そして解決してやれる問題は解決に努める・・・その位の気持ちでいては如何でしょうか。
●夜鳴きが酷くて眠れない・・・
少しの間の辛抱です。いずれ諦めて鳴かなくなります。
家に入れて何ヶ月しても鳴き続けるとしたら、何か不満があるのでしょう。その場合は、外に出たい・・・という事ではないはずです。避妊はしてありますか?昼間、もしくはお勤めしている方であれば、帰って来てから就寝までの間に充分遊んであげていますか?人間の子供だって、昼間に寝過ぎたり、体力が有り余っていると、夜なかなか寝ずにむずがるというではありませんか。遊んで適度に疲れさせてあげましょう。
そして眠れないと言うのは、多分あなたの眠りが足りているのです。いよいよ寝不足になれば、どんなに騒がれようと、顔の上を駆け抜けて行かれようと眠れます。
夜鳴きごときに負けて 外になど出したらおしまいです。
●あまりにも鳴き続けるので近所迷惑ではないか心配だ・・・
猫の鳴き声は、「ワンッ!」と吠える犬に比べると、意外と聞こえないものです。
窓を開けているが為に、それが聞こえて近所に迷惑だと思ったら、窓を閉めましょう。暑くて寝苦しかったら、エアコンが嫌いだとか言わずにエアコンを使いましょうよ。電気代がかかって勿体無いと思うなら、水風呂場でも浴びたら如何でしょう。
●外に出たいのではないかと思い、猫が可哀想・・・
可哀想ではありません。外には外敵や危険が一杯で、むしろ猫はリラックス出来ません。猫にはお散歩だって必要ありません。
いずれ諦めますから、鳴くからと言っていちいち反応していては駄目です� ��ここは心を鬼にして、「はいはい、そうですか〜」とでも声を掛け、室内で楽しみを増やしてあげて下さい。
いちいちネガティブにならず、それならばもっと家の中だけでも猫が幸せに楽しく暮らせる方法はないものか・・・という具合に前向きに考えましょう。
あなたに努力と根性と愛情が欠けている事を認めたくないが為、猫の為にとかこの猫の個性のせいで・・・とすりかえて責任放棄するのは良くありません。
出来ない事へのエクスキューズは、誰もがとても饒舌で多弁です。しかしどんなに饒舌であっても、底の浅いみっともない真似なのは確かです。
完全室内飼いや脱走防止対策くらい、誰にでも出来るのです。ボケてさえいなければ。
●壁や家具での爪研ぎをやめさせたい
� ��オシッコ問題で精力を使い果たしてしまったので、また後日・・・)
※以上、とりあえずまとめましたが、他にも付け加えるべき事柄があるかも知れませんので、随時更新する予定です。
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